日本主催セッション

会場:オンライン (Zoom) 定員:なし 参加費:無料 言語:英語(日本語同時通訳付)

日本政府は、2009年の設立以来、アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)に対し、継続的な支援を実施してきました。APANフォーラムは今年で7回目を迎え、今回、初めて日本の環境省が主催者となり、また初めてバーチャルでの開催となりました。第7回APANフォーラムでは、日本の環境省も、パートナー機関とともに「都市のレジリエンス」「世界適応ネットワーク」「気候変動×防災」」「適応ギャップを埋めるための努力」の4つのテーマに焦点を当て、イベントを主催します。これら4つのイベントには、日英同時通訳がつきます。

●気候・災害リスクに対する都市のレジリエンス強化に向けた協働の取組

ストリーム: 「コミュニティと地域のレジリエンス」 イネーブラー:「計画とプロセス」
日時:3月9日 (火) 13:15 ~ 14:45 (日本時間)

自然災害は、発展途上国に住む人々や、最も脆弱なコミュニティに大きな影響を与えています。国連経済社会局(UNDESA)によると、世界における人口の55%以上が都市部に居住しており、この割合は2050年までに68%に増加すると予測されています。しかし、特に発展途上国における都市の計画や開発は、地震や気象リスクなどのハザードの影響をほとんど考慮していないのが現状です。

そこで本セッションでは、アジア太平洋地域の都市部おける災害リスク軽減と気候変動への適応をテーマに取り上げます。地域計画や政策開発プロセスの中で気候変動適応を主流化し、災害に強い開発に対する政治的コミットメントと社会的ニーズを高める上で、アジア太平洋地域の国々が直面する主要な課題について情報を提供し、議論を深めます。

セッションの目的は、アジア太平洋地域において、仙台防災枠組み、パリ協定、SDGs、国や地域レベルでの防災・適応戦略に沿って、マルチステークホルダーが参画しパートナーと協力しながら、都市のレジリエンスを高めるための理解を深め、優良事例と証拠に基づいた、都市のレジリエンス計画を共有することにあります。関連するシステム、政策、プロセス等を通じて、能力開発、意識向上、災害リスク軽減と気候変動適応の促進における機会について議論しながら、同分野における知見共有の場を提供することを目指します。

※APANフォーラムは4つのストリーム(主題)を縦軸、5つのイネーブラー(実現要素)横軸とする各セッションから構成されています。本セッションは「コミュニティと地域のレジリエンス」ストリーム、「計画とプロセス」イネーブラーのセッションとして開催されます。

プログラム

総合司会 塚本 直也(アジア工科大学 アジア太平洋地域資源センター センター長)

開会挨拶 塚本 直也
アジア工科大学院 アジア太平洋地域資源センター センター長
基調講演 マロ・ノスカノ=リヴァルタ
国連防災機関 (UNDRR) アジア太平洋事務所 所長

武内 和彦
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES) 理事長

パネル
ディスカッション
登壇者:
イヌ・サリケ
ネパール トリブヴァン大学 工学研究所 准教授

アルメン・ロストミャン
アジア工科大学院 アジア太平洋地域資源センター コンサルタント

アレネ B アルシアス
フィリピン共和国 サンタローサ市 市長

ビナヤ・ラズ・シバコティ
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)  自然資源・生態系サービス領域 主任研究員

モデレーター:
プルバ・レンドゥプ
アジア工科大学 アジア太平洋地域資源センター 気候変動・防災クラスター クラスター長

Q&Aセッション
主催 アジア工科大学 アジア太平洋地域資源センター(AIT RRC.AP)
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)
環境省
国連防災機関(UNDRR)

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●世界適応ネットワーク(GAN):現在と未来

日時:3月10日 (水) 10:00 ~ 11:05 (日本時間)

このセッションでは、世界中から気候変動適応を推進するパートナーを迎え、国際的な適応の知識共有プラットフォームである「世界適応ネットワーク(GAN)」の成果を発表します。GANのパートナーや様々な機関の代表者から、GANの歴史や現在の活動、将来の方向性などに主に焦点を当てた発表が行われます。GANの下での地域の取組として位置付けられているAPANに代表されるような、各GAN地域適応ネットワークの連携強化や、UNFCCCプロセスへの貢献、科学的根拠に基づく具体的な適応策の推進・実施に向けた科学者・研究者・地方自治体の連携強化支援など、今後の活動への期待と方向性について議論します。各GAN地域適応ネットワークは、GANがどのようにしてネットワークの活動を拡大してきたか、各地域ネットワークの成功事例と今後のGANにおける活動の展望を共有します。最後に、UNFCCCやEPICネットワークなどのGANの重要なパートナーが、GANの活動の中で最もインパクトのあったものは何か、GANとどのように協力してきたか、そしてGANの今後の方向性を提案します。

※本セッションは、APANフォーラムのサイドイベントとして実施されます。

プログラム

総合司会 渡邊 正孝(中央大学研究開発機構教授/世界適応ネットワーク(GAN)運営委員会議長)

開会挨拶 近藤 智洋
環境省 地球環境審議官
パネル
ディスカッション
登壇者:
リス・ムリン・バーナード
GAN事務局長/国連環境計画(UNEP) プログラムオフィサー

スーザン・ガードナー
国連環境計画(UNEP) 生態系局 局長

ジナ・マッカーシー
アメリカ連邦政府 国家気候アドバイザー

ユスフ・ナセフ
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)適応部ディレクター / 政府間支援・協働部ディレクター代理

エドナ・オディアンボ
EPICアフリカネットワーク ユース代表/ ナイロビ大学

主催 世界適応ネットワーク(GAN)
環境省
関連リンク 世界適応ネットワーク(GAN)
https://www.unep.org/gan/

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●科学的知見を気象災害に対する社会経済の強靭性強化につなげる取組の現状と課題

ストリーム: 「経済セクターのレジリエンス」 イネーブラー:「科学と評価」
日時:3月10日 (水) 16:00 ~ 17:30 (日本時間)

本セッションでは、アジア太平洋地域において、気候変動適応と防災のシナジーを高め社会経済的な発展につなげていくために、科学的な知見をベースにした、様々なステークホルダーの協力体制の構築について議論します。
昨年6月、環境省と内閣府が「気候変動×防災」国際シンポジウムを共催し、両者の統合に向け国際的にも活用可能な概念、「適応復興(Adaptive Recovery)」が提示されました。本セッションではその内容をスタート地点とし、議論を深めていきます。政府機関としてモルディブ国環境省から、気候変動による経済的影響、特に観光産業等への影響について事例を交えて共有いただきます。また、経済セクターからは東京海上日動火災保険株式会社の方をお招きし、気象災害の民間企業への影響や企業が必要とする科学的知見について、現状と将来の課題をお話しいただきます。研究分野からは、国立環境研究所より、科学的知見に基づくリスク分析・評価・政策決定の重要性や日本の研究知について紹介いただきます。さらに、気象災害の影響に対処する上で重要な方策となる、生態系を活用した適応や防災(EbA, Eco-DRR)について、国際自然保護連合(IUCN)よりその活用方法と課題点を紹介していただきます。
最後に、それらの話題を踏まえ、適応対策と防災対策を統合し、気象災害による経済や社会への影響を低減していくために、様々なステークホルダーが、科学的知見やそれに基づく評価を活用していくための、アジア・太平洋地域のプラットフォームの在り方について議論します。

※APANフォーラムは4つのストリーム(主題)を縦軸、5つのイネーブラー(実現要素)横軸とする各セッションから構成されています。本セッションは「経済セクターのレジリエンス」ストリーム、「科学と評価」イネーブラーのセッションとして開催されます。

プログラム

総合司会 アルギャ・シンハ・ロイ(アジア開発銀行(ADB) 気候変動適応シニア・スペシャリスト)

開会挨拶 髙橋 一彰
環境省 地球環境局 総務課 気候変動適応室 室長
基調講演 竹本 和彦
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS) 客員教授 /
一般社団法人 海外環境協力センター(OECC) 理事長 /
東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授
パネル
ディスカッション
登壇者:
アナ・ハサン
モルディブ環境省 気候変動部 部長補佐

長村 政明
東京海上日動火災保険株式会社 国際イニシアティブ フェロー

吉川 圭子
国立研究開発法人国立環境研究所(NIES) 気候変動適応センター(CCCA) 副センター長

ラディカ・ムルティ
国際自然保護連合(IUCN) グローバル生態系管理プログラム プログラム長

モデレーター:
ピーター・キング
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)  バンコク地域センター シニアアドバイザー

Q&Aセッション
閉会挨拶 ピーター・キング
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)  バンコク地域センター シニアアドバイザー
主催 環境省
関連リンク 「気候変動×防災」国際シンポジウム
https://bousai2020.tokyo/

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●気候変動適応のギャップを埋めるための努力

日時:3月11日 (木) 18:30 ~ 20:00 (日本時間)

最近、適応に関する2つのフラッグシップ・レポートが発表されました。ひとつは2021年1月14日に出版された『適応ギャップ報告書 (Adaptation Gap Report)』(国連環境計画、UNDP)、もうひとつは2020年12月18日に出版された『適応の現状と傾向に関する報告書 (State and Trends in Adaptation Report)』です。これらのレポートは、現在進行中の適応努力、そして適正な適応努力の水準と現実のギャップ等について、最新の知見を示すものとなっています。さらに、現在IPCCの第6次評価報告書の作成作業も進行中であり、適応ギャップを埋めるためのアジアの適応対策の選択肢などに関する最新の科学的知見も集まりつつあります。一方、アジア太平洋地域においては、AP-PLAT(アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム)のスキームの下、関係機関の幅広い協働によって、まさにそうした適応ギャップを埋めるために、地域の適応能力の大幅な向上を図る努力が開始されました。APANフォーラムの1週間前には、多くの関係機関が参加して、その取組方針等を議論する、AP-PLATワークショップも開催される予定です。
本セッションでは、まず、アジア太平洋地域における現在進行中の適応努力、残された適応ギャップ、そしてその適応ギャップを埋めるための選択肢等について、気候変動適応分野における最新の科学的レポートの執筆者陣から報告いただきます。ついで、AP-PLATワークショップの結果を踏まえ、これらの適応ギャップを埋めるための対策として、アジア太平洋地域における適応能力強化を、幅広い関係機関が一丸となってどのように進めるのか、その戦略とプランについての報告をいただきます。

※本セッションは、APANフォーラムのサイドイベントとして実施されます。
※本セッションで紹介する「AP-PLAT」は、3月3日(水)から23日(火)の期間中に環境省が実施する「ヴァーチャル・ジャパン・パビリオン」にも出展しています。「ヴァーチャル・ジャパン・パビリオン」でのブース展示も是非ご覧ください。
>> 「ヴァーチャル・ジャパン・パビリオン」公式ウェブサイトはこちら

プログラム

総合司会 水野 理(公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)  プリンシパル・フェロー)

開会挨拶 髙橋 一彰
環境省 地球環境局 総務課 気候変動適応室 室長
パネル
ディスカッション
登壇者:
ヴァレリ・カポス
国連環境計画(UNEP) 世界自然保全モニタリングセンター センター長
『適応ギャップ報告書 (Adaptation Gap Report)』執筆者

エイピン・チェン
グローバル適応センター(GCA) 中国事務所 所長
『適応の現状と傾向に関する報告書 (State and Trends in Adaptation Report)』執筆者

ラザシ・ダスグプタ
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)  自然資源・生態系サービス領域 主任研究員
IPCC第6次評価報告書(AR6) WG2チャプターサイエンティスト

久山 哲雄
AP-PLATキャパシティービルディング・コーディネーション・オフィス

Q&Aセッション
主催 環境省
公益財団法人地球環境戦略研究機関 (IGES)
国連環境計画(UNEP)
関連リンク UNEP『適応ギャップ報告書 (Adaptation Gap Report)』
GCA『適応の現状と傾向に関する報告書 (State and Trends in Adaptation Report)』
アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)

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日本主催セッションに関する問い合わせ先:
第7回APANフォーラム 運営支援事務局(公益財団法人地球環境戦略研究機関 内)

outreach-info@iges.or.jp