第7回アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)フォーラム
すべての人が気候変動に適応していくための重要な10年
2021年3月8~12日

アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)は、2009年に世界適応ネットワーク(GAN)の下で国連環境計画(UNEP)によって組織され、立ち上げられた、アジア太平洋地域で最初の地域適応ネットワークです。

APANは、「適応策の設計と実施」、「技術と資金へのアクセス能力の構築」、「気候変動にレジリエントでと持続可能な人間のシステム、生態系、経済の構築に向けた政策、戦略、計画への気候変動適応の統合」に関する知識を伴う、アジア太平洋地域の気候変動適応の関係者の育成・支援に努める 開かれたネットワークです。APANは、主要な準地域組織と緊密なパートナーシップを確立しており、アジア太平洋地域における重要な適応関連の知識を動員するネットワークになっています。

第7回アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)フォーラムについて

APANのメインイベントであるAPANフォーラムは、適応実践者が集い、教訓と経験を共有し、気候変動の課題に取り組むために必要な適切な成果と実践的な解決策の構築に向けて協力するための、主要な地域プラットフォームです。2010年の初回フォーラム以来、APANフォーラムは、科学者、ドナー、若者、そして50か国以上からの代表者が集まり、対話し、適応行動のパートナーシップ確立のために協力する場に成長しました。

第7回APANフォーラムは、2021年3月8日から12日にかけて、「すべての人が気候変動に適応していくための重要な10年」というテーマでオンライン開催され、気候変動にレジリエントな開発・発展に向けた行動からの学習・教訓を共有します。 日本の環境省、国連環境計画のAPAN事務局が主催するこのフォーラムは、アジア太平洋地域で最大の気候変動適応の実践者の集まりです。

ストリーム(主題)

フォーラムの統一テーマは、レジリエンス1)です。本フォーラムは、以下4つの側面からレジリエンスを考えるための「ストリーム(主題)」を縦軸に構成されています。

a.包摂的なレジリエンス
b.自然を基盤にしたレジリエンス
c.経済セクターのレジリエンス
d.コミュニティと地域のレジリエンス

イネーブラー(実現要因)

レジリエンスは、自然・人間・経済・工学システムに適用可能な、気候変動適応の望ましい姿の終着点を具体化しています。本フォーラムでは、レジリエンスを構築・維持・強化するための適切な「実現条件」ならびに「支援へのアクセス」を、「イネーブラー(実現要因)」と表現しています。「イネーブラー(実現要因)」はプログラムの横軸を構成しており、以下の5つが識別されています。 

a.政策と気候ガバナンス(1日目)
b.計画とプロセス(2日目)
c.科学と評価(3日目)
d.技術と実践(4日目)
e.経済と投資(5日目)

アウトルック(概況)

アウトルック(概況)は、APANフォーラムの4つのストリーム(主題)におけるセッションでの、議論の前提を示した文書です。それぞれのストリームが、どのように気候レジリエンスに貢献しうるのか?また、今後レジリエンスを拡大していくためには、どのような課題や優先行動があるのか?について概説しています。各アウトルックでは、5つのイネーブラー(実現要因)ごとに要点をまとめています。詳細に関しては、英語の原文をご参照ください。

a. 包摂的なレジリエンス 日本語抄訳(PDF 350KB) 英語原文(PDF)
b. 自然を基盤にしたレジリエンス 日本語抄訳(PDF 319KB) 英語原文(PDF)
c. 経済セクターのレジリエンス 日本語抄訳(PDF 333KB) 英語原文(PDF)
d. コミュニティと地域のレジリエンス 日本語抄訳(PDF 415KB) 英語原文(PDF)

第7回アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)フォーラムの目的

第7回APANフォーラムは、以下を目的として開催されます。

  • 気候変動から生じる悪影響に耐え、緩和する能力を人間システムとコミュニティに備えるためのツールと手段のスケールアップの実現条件を整え、アジア太平洋地域における能力開発のニーズと優先課題に対処する。
  • コミュニティ、ステークホルダー、政府向けの、実用的で拡大可能な「次の段階」へのガイドラインを伴い、行動を加速し、適応の知識とプログラムの「方法」部分を促進する議論のプラットフォームとして機能する。
  • 前回のAPANフォーラム以降特定された、優先となる知識・政策・資金のギャップに対処するために実施された特定の行動と進捗について、報告する。
  • アジア太平洋地域における適応に関する現在の取り組みのスケールアップ方法に関する推奨事項を取りまとめ、2021年に英国グラスゴーで開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP 26)、 中国の昆明で開催される国連生物多様性条約締約国会議(CBD-COP 15)に対し、アジア太平洋地域としての貢献に向けた基礎を提供する。

フォーラム参加対象者

フォーラムでは、以下のような方々のご参加をお待ちしています。

  • 多国間および域内の組織
  • 政府機関(関連省庁、自治体等)
  • 大学・研究機関
  • エンジニアおよびその他の専門組織・団体
  • ドナーおよび金融機関
  • 関連する民間企業とビジネス
  • 非政府組織
  • メディア
  • 若者とコミュニティレベルの実践者

1)レジリエンス(強靱性):適応、学習及び変革のための能力を維持しつつ、本質的な機能、アイデンティティ及び構造を維持する形で対応又は再編することで危険な事象又は傾向もしくは混乱に対処する、社会、経済及び環境システムの能力。(『気候変動2014:影響、適応及び脆弱性』気候変動に関する政府間パネル第5次評価報告書第2作業部会報告書政策決定者向け要約技術要約(環境省翻訳))
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th_pdf/ar5_wg2_spmj.pdf